言うのが躊躇われる告白


*1 ピカソの名前は一息で。

「突然だけど、君を呼び出したのには理由があるんだ。

君が好きなんだ、僕と、付き合って欲しい。

君のことがどれぐらい好きか、今から説明するよ。

まずどれぐらい好きか、それはとてもとても好きだ、大好きだ、愛している。

君のためなら僕は、給料半年分の赤かまぼこ青かまぼこ黄かまぼこ、赤かまぼこ青かまぼこ黄かまぼこ、赤かまぼこ青かまぼこ黄かまぼこ、すなわち3かまぼこ3かまぼこ3かまぼこ、9かまぼこを買って君に捧げよう。

それでも足りないというんだね、いいよ、僕は君のためなら、あの竹やぶに竹たてかける。何故あの竹やぶに竹立てかけるかといえば、ただ竹たてかけたかったんじゃない、君を愛しているからだ。

君との新婚旅行を想像しよう、君に告白したばかりなのにそんなのは早いと君は思うかな? しかしそうでもない、想像しよう、平凡だが僕は、ハワイに行きたい。ハワイの言葉もちょっとだけ覚えたんだ、アヌエヌエ。コレはハワイの言葉で虹という意味らしい。綺麗な言葉だね、何度でも言えるよ、アヌエヌエ、アヌエヌエ、アヌエヌエ。もう1度でも言える、アヌエヌエ、アヌエヌエ、アヌエヌエ。美しい響きだね、君のようだ、アヌエヌエ。

新婚旅行先、やっぱりハワイじゃ平凡すぎるかな? 実はもう1つ考えてあるんだ、それはアメリカの東部にある湖なんだけど、穏やかでとてもいい場所なんだ、アメリカの東部のマサチューセッツ州、マサチューセッツ州にある湖、「チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ」がとてもいいと思うんだ、マサチューセッツ州の「チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ」という湖だよ、是非とも2人で行きたいね、新婚旅行といわず、永住したっていいかもしれない、「チャーゴグガゴグマンチャウグガゴグチャウバナガンガマウグ」の湖畔にね。

ああ、もう我慢できない、付き合ってほしいどころじゃない、結婚しよう、式場は是非とも、東京特許許可局がいいな、東京特許許可局、いいじゃないか、それとも、外国がいいかな? いいよ、君のために調べたんだ、僕達の結婚式場は、スペインのサン・ミゲル・デ・リーリョ教会、サン・ミゲル・デ・リーリョ教会なんてどうかな、リーリョ教会、古めかしくてとても美しい場所だよ。

同じスペインの教会なら他に、ナティビタート・デ・マーレ・デ・デウ・デ・ドゥーロ教会、ナティビタート・デ・マーレ・デ・デウ・デ・ドゥーロ教会なんてどうかな、少し舞い上がりすぎてるかな? 君との毎日を想像すると、退屈しないんだ。

結婚式場だけじゃ飽き足らず、実は子どもの名前も考えているんだ、聞いてくれるかい?

僕達の子どもの名前は、ある有名な芸術家からとって、

パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ

こんなのはどうかな、え、聞こえなかった? じゃあもう1回、

パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・フアン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・センティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ

素晴らしい名前だと思わないか? 実に美しい。

ああ、僕の緊張が分かるかい? 僕はもう今、橋の端で箸を使って雨の中飴と柿と牡蠣(かき)とカレイを華麗に食べろ、とそう言われたような緊張感に包まれているよ、

ねぇ、僕の気持ち、分かってくれた? 君が好きだ、付き合おう。」

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