帰り道



*キャラ表*

コトミ  女子高生。ヨシユキの幼馴染。小柄なのがコンプレックス。 
ヨシユキ 男子高校生。コトミの幼馴染。実は少しばかり神経質。


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コトミ「でもヨシユキについてきてもらえてホントよかった、アンタが暇人で助かったよ」
ヨシユキ「暇人とかひどいな、俺だっていろいろやることあって、最近忙しいんだよ。その合間をぬって、こうして一緒に帰ってやってるんだから、ちゃんと感謝しろよ?」
コトミ「わかってるわかってる。…まぁ、一緒に帰ってもらうのは三日ぐらいでいいから、ホント」
ヨシユキ「三日なぁ…それでいいのか?」
コトミ「うん、本に書いてあったんだよね。三日ぐらいでオッケー、って」
ヨシユキ「ふぅん」

コトミ「最初におかしいなって思ったのは、三週間ぐらい前なんだけど」
ヨシユキ「うん」
コトミ「部活でちょっと遅くなってさ、この先の踏み切りあるじゃん? あの辺を一人で歩いてたの」
ヨシユキ「うんうん」
コトミ「それまでもね、ほら…なんていうの、後ろに人が歩いてる気配がするのに、振り返ると誰も居ない、みたいな。そういう事、たまにあるじゃん?」
ヨシユキ「俺疲れてんだなー、って思うことにしてるわ(なんでもないことのように笑う」
コトミ「うんうん、そういう感じで、あたしもそう思ってたんだけどね。その日は違ったの。後ろに人がいたんだよ。しかも、ベタなことに電柱の影」
ヨシユキ「何でそう分かったんだ?」
コトミ「踏み切りをね、電車が通ったの。それで、電車の窓に人が映ってたってワケ。…ね、気味悪いでしょ」
ヨシユキ「ううん、どうかなぁ。それぐらいだと、やっぱり疲れてんのかなぁとしか…」
コトミ「んーそれに、その後もちょくちょく足音も二人分聞こえるし、アタシが立ち止まると相手も立ち止まるの。…なんか、気味悪くってさ。だから、アタシには彼氏がいるんですよー、っていうそういうアピールで、君には来てもらったのだ(あえて明るく振舞う)」
ヨシユキ「うーん、まぁ、分かった。不本意だけど、彼氏になってやるよ(悪い気はしないという感じ)」
コトミ「不本意でごめんなさいねー(くすくす笑う」

(間)

ヨシユキ「結局、何もなかったな」
コトミ「うん。…でも、よかった。何も無くて」
ヨシユキ「だな。…じゃ、俺は帰るから」
コトミ「ありがとう、…あの、ヨシユキも気をつけてね(気遣い)」
ヨシユキ「分かってるって。 (背を向けて歩き出しながら)お前も、この間みたいに野良猫追いかけて溝ハマるなよー」
コトミ「そんなドジ、もうしないって!(背中に向かって) …もう!」

SE*鍵をカバンから取り出す音。

コトミ「(ふと顔を上げ、怪訝そうに)…あれ、野良猫追いかけて溝にハマった話って、…ヨシユキにしたっけ?」

SE*きぃ、ばたんと扉が閉まる音。






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-ukhm-

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